さくら餅について
伊豆より届いた香り豊かな桜葉を二枚使用。
現在、和菓子や日本料理の材料として使用される桜の葉は、伊豆・大島方面の畑で獲れるオオシマザクラの若葉が大半を占めます。
年間総需要が3億枚を超すといわれるオオシマザクラの葉は、桜葉特有の芳香成分であるクマリンの含有量がほかの桜よりもやや多く、無毛で光沢の強い若葉は形も良いのが特徴です。その葉は伊豆半島の人々によって栽培され、全国各地に出荷されていきます。
当店が使う桜葉も、純国産。木製の四斗樽で丁寧に漬け込まれたものだけを仕入れています。製造メーカーに「桜葉の塩漬けができるまで」をご説明いただきました。
大きさの異なる道明寺を複数組み合わせ、ほどよい弾力と柔らかい食感を作る。
「道明寺(どうみょうじ)」は、桜餅や椿餅に使われる米粉の1つです。その名は、菅原道真公とその伯母・覚寿尼(かくじゅに)公を御祭神とする、大阪・藤井寺市所在の「道明寺天満宮」に由来します。今から千年以上も昔、覚寿尼公が道明寺にて御飯を乾燥させたものが有名になり、「道明寺糒(ほしいい)※」といわれるようになりました。純粋の糯米(もちごめ)を2日間水に浸し、蒸した後10日間ほど乾燥させます。さらに20日間白天火で干したものを石臼にかけて仕上げます。これを丸粒、二つ割、三つ割などの適当な粒に粗挽きしたものを道明寺といい、大きさにより丸粒道明寺、中荒道明寺、細堂苗字などに分けられます。
※糒とは乾飯(ほしいい)の略で、ご飯が乾き、半透明になった状態のことです。保存食・携帯食として用いられ、湯や水で戻して食します。